新年度、最初の調理実習は、新メンバーと卒業メンバーが一緒に作るということで、今まで作ったことがないものに挑戦しましょうということになりました。
「やっぱり麺類だよね」
「オーブンも使ってみたいなぁ」
「お菓子とかつくってみたい」
ということで、じゃあ全部やっちゃいましょう!
このような感じで計画が進んでいきました。
今回の調理実習のメニューは、
『きのことベーコンのクリームパスタ、バタークッキー、ココア』です。
調理実習当日は、全員が『待ちの姿勢』…
「おーい!みなさん。動きましょう。自分の役割はなんだったかな??」
支援員の声掛けでみんなが動き出します。
新しく利用になった方たちは、みんなが遠慮し合ってぎこちなく動きます。
響き渡るのは卒業間近の利用者さんの声!
彼女は最後の日までみんなのお手本になってくれました。
作業が進むにつれて、みんなもその声につられ、声を出して確認し合うように取り組んでいきました。
玉ねぎ、しめじ、ブロッコリー、ベーコン、全て切り方に違いがあります。
今回は計量するもの(調味料)も多く、はじめてがいっぱいです!
『どんな切り方だったかな‥』と支援員の顔をチラリ。そのタイミングで支援員もさっと視線をそらします(笑)
自立では、“わかってほしい”“困っています”ということは態度ではなく、『言葉』で発信することを常に伝えています。「〇〇さん、~~」というもの。必ず、「伝えたい人の名前を呼び掛けてから」がルールです。また、自分で言葉を発せられない方には、伝えたい人のほうを向いて手をあげること、と伝えています。
それ以前に、調理実習はひと月かけて計画を練っていきます。その時に野菜の切り方や、材料を入れるタイミングなど細かいことも決めていきます。
困った時は『計画書を見る』忘れていませんか??
「はっ」としてみんなが計画書を確認していきます。
「ブロッコリーってどこまで食べられるんですか?」
ブロッコリーは全て食べられますよ~!
そっか、みなさんは調理後のものしか見たことがなかったんですね。
茎のかたい部分は切りとって、食べやすい大きさに切っていきます。
「知らなかったです」という利用者さん。調理実習で知ることができて良かったですね。
パスタソースはホワイトソース!市販のものを使わず、自分たちで作りました。
ぐつぐつ煮立てると、いい匂いが部屋中に立ち込めてきます。
同時進行でデザートのクッキーを作らないと!
計量したものを、すべてジップロックに入れてモミモミ…混ざったら、平たく伸ばし、しばらく冷蔵庫で冷やします。
冷やしたクッキーを取り出して、丸い筒状にしていき、包丁で切っていきます。
さぁ!みんなで成型していきますよ~。きれいに並べて、オーブンで焼きます!
さくっと出来上がりました。
今回の調理実習は“初めて”がたくさんありました。
はじめてのメンバー、はじめての計量、はじめてのパスタ、はじめてのデザート、ほかにもあったかも…
作っている時はみんな黙々と真剣でしたが、出来上がった時はみんな笑顔いっぱいでした。
みんなでやり遂げるって、大変だけど面白い、楽しい、嬉しいですね。
食べてみんながにっこりしていました。ココアをはじめて飲んだ人もいましたね。
今回の調理実習も、低コストにおさえることができました。会話も弾み、充実した訓練となりました。